2022年年末にiDeCo(個人型DC)をSBI証券に移管しました。
この記事では、SBI証券へiDeCoを移管する際の手順や流れについて解説します。
iDeCoの移管をしようか悩んでいる方も移管のメリット・デメリットについて参考にしてください。
- 利用しているiDeCo運営管理機関からSBI証券に運用商品を移管する際の手続きの流れ
- 移管にかかる手数料や期間など注意したいポイント
- 移管のメリットとデメリット
移管の決断の参考にしてね!
このブログは、iDeCoをSBI証券に移管し運用しようと考えている第2被保険者用:厚生年金・掛金個人払込の方向けの解説です。
WEB上で申し込みをすることで省略できる手続きの流れもあります。
なお移管には事前にSBI証券に口座を開設しておくことが前提です
iDeCoを移管しない人も、運用のヒントになるよ!
iDeCoを移管までの流れ
- SBI証券に「SBI証券iDeCoにかかる書類送付のご案内」の書類請求
- 現・勤め先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」(別添)の証明書の作成を依頼
- 変更前の「運用関連運営管理機関」と「記録関連運営管理機関」の登録番号と名称の確認
- 勤め先からの証明書を受け取る
- 本人確認書類を台紙に貼り付ける
- SBI証券の運用商品一覧から投資商品と配分割合を決める
- SBI証券の受領締め日に合わせて必要書類一式を提出
- iDeCo加入者サイトのIDと初期パスワードのお知らせが届く
- 移管金の配分設定を加入者サイト上で行う
- SBI証券の日程に沿って自動的に運用開始される
3カ月は見ておこう
1.SBI証券に「SBI証券iDeCoにかかる書類送付のご案内」の書類請求
iDeCoを移管したい先から書類を取り寄せます。SBI証券のiDeCo移管の変更届のWEBサイトはこちらから。
送付される書類
SBI証券iDeCo(個人型確定拠出年金)に係る書類(冊子)
事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書(別添)
※住所・勤務先・年金種別(第1号被保険者・第2号被保険者など)の変更や現在のiDeCo金融機関の変更届が必要な場合は、iDeCoサポートデスクに電話して書類を郵送してもらう必要があります。
2.現勤め先に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」(別添)の証明書の作成を依頼
勤め先に「第2号加入者」であることを証明してもらいます。
提出書類の名称:事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書(別添)
基礎年金番号
希望する掛金の納付方法(事業主払込か個人払込かチェック)
毎月の掛け金を記入するところがありますが、書類が戻ってきてから記入すればOKです。
3.変更前の「運用関連運営管理機関」と「記録関連運営管理機関」の登録番号と名称の確認
iDeCoの加入者運営管理機関の変更のため、今iDeCoを開設している金融機関の以下の事項を調べて記入する必要があります。
記入書類の名称:加入者当運営管理機関変更届
「運用関連運営管理機関」の登録番号と名称リスト
「記録関連運営管理機関」の登録番号と名称
今iDeCoを開設している金融機関のWEBサイトに通常は公開されています。見当たらない場合は、コールセンターに連絡します。
4.勤め先からの証明書を受け取る
「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」が記載されて戻ってきたら、6番目の「個人払込用登録事業所番号」を確認します。SBI証券iDeCo(個人型確定拠出年金)に係る書類(冊子)の中に、記入する必要があります。
記入書類の名称:個人年金加入者申出書(冊子の一部)
この「個人型年金加入申込書」の6番目「現在のお勤め先(事業所の情報)」にその番号を記入する必要があります。
また5番目の「掛金額区分」で掛金を毎月定額で納付するか、納付月と金額を指定して納付するか記入します。
5.本人確認書類を台紙に貼り付ける
いずれか1点の本人確認書類のコピーを貼り付ける。
- マイナンバーカード(表のみ)
- 運転免許証
- 各種保険証など
自分の状況で本人確認書類や提出書類を確認できるSBI証券のページはこちら
6.SBI証券の運用商品一覧から投資商品と配分割合を決める
届け出書類名称:加入者掛金配分設定届(セレクトプラン)
今後、掛金を拠出する場合の今後投資する投資商品と配分割合を決める。
書類提出後も、加入者サイトにログインできるようになれば、サイト上で変更は可能。
7.SBI証券の受領締め日に合わせて必要書類一式を提出
以下の提出書類の作成と確認
- 個人型年金加入届出書(第2号被保険者用:厚生年金の方)
- 預金口座振替依頼書兼自動払込利用申込書
- 加入者掛金配分設定届
- 加入者等運営管理機関変更届
- 事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書
- 確認書
- 本人確認書類
「確認書」はSBI証券iDeCoへの申し込みにあたっての確認書類です。確認事項を記載した用紙にサインをします。
クレジットカードでの支払いはできません。
8.iDeCo加入者サイトのIDと初期パスワードのお知らせが届く
SBI証券のiDeCoにログインができるようになります。
9.移管金の配分設定を加入者サイト上で行う
今後入金される移管金でどの投資商品をどんな配分割合で購入するかを決める必要があります。
iDeCoの加入者サイトにログインができるようになったら、移管金の配分割合のページから設定しましょう。
必ず確認や設定をしましょう。入金日の前日まで変更可能です
iDeCoの資産を移管する場合、今開設しているiDeCoの保有資産を一度現金化します。その現金の入金日の翌営業日から設定に従って投資商品が購入されます。スケジュールをサイトで確認できます。
設定しない場合は、加入者掛金配分設定届で選択した投資商品と投資割合で移管金の配分が行われます。
複数の投資商品の選択可能です。
以下のように、「割合」を数字で入力。右端の「端数」は、1円未満の金額が出た場合にどの商品に割り当てるかチェックを入れます。
10.SBI証券の日程に沿って自動的に運用開始される
運用開始です。
その後、以前のiDeCoを開設していた金融機関から現金化の結果報告書の書類が届きます。
iDeCoを移管して良かった点
以前の預けていた金融機関は、勤務先が利用していた金融機関だったので自分では選ぶことができませんでした。
そのため、金融機関側の運営管理機関に係る手数料や高い報酬が発生する運用商品ばかりでした。
より良い証券会社にiDeCoを移管したかったので、いろいろとWEBサイトを見て研究しました。
そこで、手数料など低コストを実現しているネット証券会社で、私の場合は、すでにSBI証券の証券口座は開いていた為、SBI証券にしようと決めました。
一度決めてしまえば、コスト高めの金融機関に預けていたため、移管を決意するのは楽でした。
コストがかかることはもう嫌でしかないよ
低コストで豊富なインデックスの投資商品がある
また以前預けていた金融機関は、取り扱っている商品の選択肢は少なく、信託報酬率が高いものが多かったです。
旧金融機関 | SBI証券 | |
信託報酬率 | 0.2%~1.7%以上 | 0.09%~2.1%以上 |
取扱商品・インデックス | 10 | 18 |
取扱商品・アクティブ | 15 | 11 |
取扱商品・その他 | 1 | 9 |
iDeCoは長期運用を前提とする自分年金です。
そのため、運用に係る手数料は低コストであるのは必須条件です。信託報酬は、運用会社に支払うコストですが、SBI証券にあるように、0.1%以下の信託報酬料が当たり前になってくる潮流にあります。
低コストな投資商品を選ぼう!
- 信頼と実績の加入者数No.1のネット証券会社
- 運営手数料が無料
- 利用者目線の低コストでバラエティのある運用商品のラインナップ
iDeCoを移管する際の注意点
これはiDeCoを移管する場合の注意点です
書類申請から移管完了までのスケジュールの目安:3~4カ月
私の場合は、書類を取り寄せてからトータルで3カ月かかりました。
SBI証券に9月末書類を申請して、10月上旬に勤め先に証明書作成を依頼しました。手元に戻ってきたのは、3週間後でした。
ここまでで約1カ月だね
SBI証券の書類の受領は、加入の場合以下のようなスケジュールです
また、移管のために掛け金がかけられない月が出る可能性があります。
毎月1~5日までに受領 | 毎月6日以降月末までに受領 |
その月の翌月から引き落とし開始(初月1か月分4) | 翌々月から引き落とし開始(初月2か月分) |
必要書類を提出すれば、後は約2カ月ほど待つだけ
移管元の資産売却スケジュールは、全運営管理機関等へ問い合わせの必要があります。
移管される保有資産は現金化される:実際のスケジュールの目安
移管される保有資産は一度現金化され、移管元の売却スケジュールによって指定した投資商品が購入されます
私の場合は、
SBI証券に必要書類を11月5日までに提出
移管元での保有資産の売却完了は12月13日頃で、SBI証券に入金予定日は12月29日でした。
配分商品購入完了は翌年1月5日でした。
一度現金化することは、利益確定になります。利益確定後、その額で改めて商品を購入します。コスト面で0.1%違っていたら、数10年後には大きな支払いコストの差となります。しっかり、計算して見極めていきましょう。
移管資産の売却も新しい投資商品の購入もすべて成り行き任せ
私は運用指図者という状態でした。
運用指図者というのは、掛金はかけず運用だけしている状態だね
そのため、比較的簡単にiDeCo移管の決断ができました
現金化するって、資産の売却時期とか決められるの?
保有資産の現金化は成り行き任せです 購入も成り行き任せです
売却と購入の時期によっては、よりプラスになっているかもしれないし、よりマイナスになっているかもしれません。
私の場合は、実行したのは2022年年末。コロナ禍やウクライナ危機などで相場も乱高下でした。どういう運命になるか分かりませんでしたが、移管すると決めたので、すべて相場にお任せでした。
それでも移管したいという気持ちの方が強かったです。
iDeCoの移管に係る手数料
移管時に係る手数料
国民年金基金 | 運営管理機関 (SBI証券) | 備考 | |
移管手数料 | 2,829円 | 個人別管理資産から徴収 | |
移管時手数料または運営管理機関変更時手数料 | 4,400円 | 個人別管理資産から徴収 |
SBI証券のサイトから参照した金額です。上記の金額は、SBI証券が管理資産から徴収すると記載があります。
まとめ
iDeCoを移管するときの手続きの手順を解説しました。
- 運営管理手数料が0円のネット証券を選択できる
- 低コストで運用している投資商品が選択できる、または目当てのインデックス商品がある
- 徹底した利用者目線の証券会社を選択できる
- 保有資産の売却や購入の時期によっては、利益が出ることもある
- 移管するまでに書類を取り寄せてから3~4カ月かかるので、掛金をかけられない月が出る
- 保有資産を現金化して、投資商品を購入し直す必要がある
- 保有資産の売却と購入の時期は成り行き任せ。損するリスクもある
- 移管する際に手数料がかかる
何度もお伝えしますが、iDeCo移管で資産を現金化するのは最大のリスクです。
いつ現金化されて、どの時点で購入になるか、相場は読めないからです。
個人的な意見ですが、今後10年から20年に渡って株価などが今より上昇していくと思うなら、リスクをとってもiDeCo移管は有利な選択肢になります。
信託報酬手数料など高い場合、要らないコストを削減できれば、その分利益になりお得です。
わずか0.1%の信託報酬の違いであっても、毎月何十年と積み重なると大きなコストになります。
今少し手間をかけることで、将来のコスト削減ができるなら手数料をかけても価値があります。メリット・デメリットを見極めたうえで、メリットが上回ると思ったら、実行しましょう。